性暴力を考える
“私は一人の人間です“ 性暴力を考えるというタイトルでNHKが公開してくださっております。
~15分間語った被害女性のことば~
はじめに「私はこの場で被害者として立っておりますが{被害者}ではなく、意思を持った一人の人間です」と冒頭で伝えて開始となりました。
見知らぬ男性から性暴行を受けた20代の女性が裁判で衝立越しに加害者と対峙しながら裁判官、裁判委員に向けて語ったものです。
大学でジエンダー学を専攻し、晴れて社会人になって間がない時のこと。オートロックのマンション暮らし。
ある日、帰宅して床にはいろうとするや否や、見知らぬ男がクローゼットから出てきて、性被害にあったというものです。
応じないと殺されるかもと恐怖心が沸き起こり、体が硬くなり身動きが取れず・・・。男から最後に2万円を無理やり手渡され、写真を撮られ脅された。男は立ち去り・・。泣きました。大学で学びをしていたため証拠品を集めメモをした。翌日、ワンストップ・支援センターに連絡を取り、緊急避妊薬を処方してもらい、体から男のDNAを採取してもらうため、学んだ知識で動きました。被害後も「見張られたらどうしょう?」
「自分のことを知っていることへの怖さ・・」などなどの被害症状が出没しました。中程度のPTSDの診断がおりました。これらは大学で学び知識があった故動くことができたので、中程度で終えたと考えます。訴える、恐怖心、屈辱感とか・・・また、加害者が刑務所に入ることを考えると私が・・・でもこの気持ちは
学びをしていたので吹っ切ることができた。しかし、平常心ではおれず結果、会社を辞める羽目になりました。
裁判で争点になったのは「中程度のPTSD」でした。争われたのは「強制性交等罪」、こちらは「強制性交到傷罪」を勝ち取り懲役10年の求刑がおりた。裁判中、男は示談を申し込んで(2000万円)きたが、お金を問う問題ではないことを確信したという。<このほうが男は刑が軽くなることを見据えていた>
今あらためて言いたいのは「PTSDが発症しても中程度で終えたのは周囲の環境、持っていた専門知識、人脈など文化資本、これまでに獲得していたレジリエンス(回復)能力の結果だと考える」と発言された。
「私は、性暴力とは一人の人間から尊厳を奪う、意思を持った一人の人間を、ただの女あるいは男として、暴力の対象として、支配欲のはけ口として記号に押し込め、人格を深く傷つける、そういった罪だと考えています」
「普通の人間が、普通に安全に、これからも生きていける世の中をつくる判断をしてください」と締めくくりました。
最近とみに、これらの犯罪が多くなってきておりますが、一読してくださいました方々も、被害者に「忘れなさい」ではなく、ともに戦う思いやりを持ってくださればと考えます。