大島青松園探訪
先日、高松市男女共同参画センター企画の「はじめまして講座」の4月版に参加した。
以前、職業人としての訪問をして30数年になる。
20年前の平成8年に「ライ予防法」廃止となる前のことである。下船すると音楽が鳴り響き、目が不自由な方々への配慮と説明を受けるなど、多少、現実世界とはかけ離れていることに気づかされた。おそらく古ぼけた木造建築の隙間風が吹き抜けそうな病院内で受講したが、今は立派な体育館という施設内である。それも職員ではなく「病を持つ」(?)当事者の方より直接話を伺うというものである。
時代は一変した。患者さんといわれる方々は、法の廃案により「世に住む」ことになったのです。でもあまりにも遅すぎた。講話をして下さった83歳の男性は16歳で発病、隔離収容となり、1年半後に特効薬プロミンで病は完治したが島にい続けることを選択したという。
体験発表として過去の出来事、何が身の上に起きたかわからぬまま今日まで来たという辛さ悲しみ、世を怨んだが、皆とともに学びをはじめて意識変革が生じ、行動化となったいきさつなどを語られた。
高々40分間では大いなる人生の苦しみを語りつくせないことと察したが、語りながらも涙をぬぐい、今の現実の自分に向き合うという姿勢を持ち、今を明るく生き抜いていこうとしている姿勢は輝いていた。
人が人として生きるとは・・・・!「自分の物語」として語ることにより、第三者は聴きえて知り、考えるという作業をし続けなくてはなら無いのだと再確認をした。
島内は桜が満開であった。昔、「砂の器」という映画で桜が映し出されるなか、主人公がピアノ曲を弾き、自らを回想していくシーンが蘇ってきた。
(G記)
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