11月末、香川県主催の第34回精神保健福祉大会、主タイトルは「こころのバリアフリー宣言」と題して、三木町交流プラザで開催された。基調講演は『ぬくもりのある福祉』で、渡辺和子先生(学校法人ノートルダム清心学園理事長)が、いつもの皆を包むような、優しいトーンで話しが開始された。
開口一番、マザーテレサの弁《私は福祉事業をしているのではありません。群集(数)ではなく個々の魂と向き合ってるのです。》と話された。炊き出しを昔はしていたが、その時《何人に笑みを返しましたか?手を振りましたか?》と各シスターに問われ対象者が“いきてていいんだなぁ”と思えるかかわりをしたかを大切にしていたということを話された。 「自分の心にぬくもりがないと人には与えることはできない。目に見えないぬくもり、愛、正直、実直さである。」
福祉の時代と言うが今一度再考してみたいと思わされる。更に先生は「福祉を考える前に自分のことをみてみよう・・・。人生には穴がある。あけた人を恨むこと、なげき悲しむことはよし。 宗教を信じることもよし。でも、穴があいたおかげで、これまで見えなかったことを見ることが出来た・・。それも意味あるものとして・・。感謝です。人生の深み、豊かさとなり、変化していく自分になれる・・・。《今、ここに生きている。世の中に無駄なものはない。神は訓練を与えません》(相田みつお)」と言われ、最後に「どんな不幸を吸っても、吐く息は感謝の息だけです。全ては恵みの呼吸ですから・・・!」としめくくられた。福祉にも資格を求められる今の世の中・・・ 資格がないと、何もできません。といわれているが、資格ではなく、傍らにたたずむには、優しさが求められているのです。その優しさとは、憂いがあり逃げ出さずたたずむことの出来る人を求めているのです。
渡辺シスターのお話はいつも心洗われます。
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