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− 今の時代 −

 巷の風景が勤めはじめた30年前とはずいぶんと変わっている。私自身の子ども期からはなおさらである。日本は1970年を境に機械化・合理化・スピードアップが求めつづけられた。今,21世紀は<こころの時代>と叫ばれているが,巷にいる若者層に目をやると,心より外観(見かけ)にこだわって生活しているように思えてならない。顔や体型を気にして,やせたい・美貌を求めていたい・流行のもので身を包みたい等などだ。彼らは<ネクラ><ブリッ子>として通す努力をすることで,自分の本音を隠し,人への気遣いをし,一方でひどく傷つけられ傷ついているようだ。自宅においてはペット化している。このような精神構造(恥という心理がはたらいている)の中で毎日を送ることは疲労(徒労?)であろうと想像する。
 ここに至るには「衣食足りて美貌を知る」というものであろう。こうして今の世の中ひきこもり現象が目立つようになった。先日テレビで,サラリーマンとフリーターの会話が流れていた。内容としては,サラリーマンが「お前ら働かないと餓死するぞ」とフリーターに言い効かせている。対してフリーターが「お前ら過労死するぞ」とサラリーマンに言い返しているというものであった。この場面を見て,フリーターの方に分があるように思えた。餓死の怯えに現実味があったのは1960年末頃までのことだと思う。
今の時代「嫌なことをするのは死んでもいや」という若者が多くなったように思える。彼らを支えるのは,我々大人がつくった<豊かな社会>かも知れないと思うこのごろです。