Back | index | Next |
先月16日に「アディクション型犯罪の理解と支援〜再犯防止のために私達は何ができるのか〜」と言うテーマが掲げられた研修会に参加してきました。
演題は「窃盗常習者・性依存者による事件の弁護」と題して、林大悟氏がクレプトマニア(窃盗症)弁護を中心にした内容で講演下さった。まずはクレプトマニアの診断基準としてDSM-5より説明をした。基準の5項目の一つに
● 個人的に用いるものでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
この診断基準に対していろいろ検討されているとのことです。主たる動機、目的が「個人的に用いるのではなく、金銭的価値のためでもない」のであればよいという柔軟な解釈が正当であるといわれ、平成25年2月の裁判について説明があった。
次に摂食障害と盗癖の関係について
● 衝動制御の問題が根本にあって過食嘔吐や万引きへの一種の依存を形成している脳の病理が関与し、摂食障害と万引きの双方を引き起こしているとの見解があり、この見解を正当と考えて裁判に挑むが、主治医と相談すべきであるという。
再度の執行猶予判決を得るための要素については、医師の意見書、入院治療の継続、治療意欲、家族の指導監督体制の構築が必要だという。
クレプトマニアの責任能力については、犯行当時の病状、犯行前の生活状態、犯行の動機・態様などを総合して責任能力を判断すべきであるという。
最後に彼らを「犯罪者」としてではなく「病者」として、環境整備を急ぐことが弁護士の役割であると言い、今後は医療・福祉との連携した実効的な回復支援を継続していきたいと抱負を話されて終了となりました。
次のプログラムでは家族の体験談が語られ涙を注ぐ風景にも化しました。最後にパネルディスカッションとして「アディクションの問題がある刑事事件当事者の回復を支援するために」と弁護士、PSW,あすなろの会より登壇して意見を述べ、フローアーとの交換も有り会場が一体化して熱気を感じたものでした。
感想としては、これまでの日常の中で何処までが病気と認定をし、何処までが ただのゆがみなのかの区別を誰がつけるのか・・・今後は「病理」の啓発をし、病気と認定されたら早めに相談をし、回復への道に入り込めるのであろうと考えた。これまでの日常の一部で、変わった奴だと人を見下げることしかしてこなかった風土を払拭していけることを望みます。とにかく今一度「信頼」をしていくことでしょうかね!
* <AAたかまつ主催>
平成29年3月22日(水)
午後1時〜 ミーティング開催 終了後2時30分〜 懇親会開催
開場は桜町教会(栗林駅より高松市保健センター近く)です。
当事者の方はむろんご家族の方も大歓迎です!
日本は大きく揺れ動いています。ハード面ソフト面ともに・・・先行きはどうなるのでしょうか・・・!?。 精神医療分野においてはアディクション流行です。
NHKも特集(ハートネット)を組み、朝日新聞においても「依存症」をテーマに掲げ 毎日コラムとして登場しております。最後は誰がでも住みやすい環境づくり、社会づくりが求められるところです。なお、3月9日(木)午後1時05分から30分間、Eテレで「WEB運動企画“チエノバ”ネット依存」が再放送されます。見のがされた人は是非スイッチをあわせてみてください。