Back index Next

―― は じ め に ――

 看護学校の授業に出向いております。今日、退室間際に学生が寄ってきて「依存について教えて下さい」「最近若い人が大きなマスクを着用しているのですが、マスク依存について・・・・看護研究にしたいのです」と質問されました。「クラスでも多いでしょ・・・マスク着用が・・・・暑くなってきているのに・・!」と加える。指摘されて教室内を見渡すとマスクで顔を覆っているが半分ほどいる。すかさず、「それは顔を隠したいだけでしょ・・・・依存ではなくて」と返すと「なーんだ!!」と言う表情を返してきた。
 TVニュースではそのような報道を昨年見聞きした記憶があるが、身近で・・・いるとは!驚きだ!マスクはこちらの素性を隠して世の中を窺うような安心感があるのではないかと考える。また、ネットで自分の素性を隠して世の中とゆるく繋がることを好む傾向の延長線上にあるようにも思える。また、他の人との交流を避けたい意思表示かも・・・・?
 学生の質問に答えるために、瞬時に考えめぐらせた。結果、私が返答したのは、“「甘えの構造」(土居健朗著)を呼んでみてくださる・・・・”である。
土居曰く「日本的思惟とは、自己と他者との境界を消し去り、情緒的に自他一致の状態をかもし出すということが生じる。甘えの世界では全ての他者性が消失し、同一化、あるいは摂取が行われる。つまり甘えは相手との一体感、連続性を求めるものである。〜〜甘えたくても甘えられない心理は、とらわれ<対人恐怖といった精神・神経症>をも引き起こす。日本の社会は内と外とに区別され、外の世界では満足に甘えられず、気がねや人見知りをするが、これは決して珍しいことではない。」と言う。著者は社会的適要因に着目し、社会における人間関係の変化が、気がねや人見知りを病理にまで発展させると考えた初代の精神分析家である。
学生のふとした質問より、昔を思い返してみた。現状において、子どもに「いないいないバー」と言う遊びを母子の間でやっているのであろうか? 皆さんはいかが考えられますか・・・・!
 (G記)
〜編集後記〜

 エフ子様より多くの切手〒を寄付くださいました。
山地様もコンタクトを下さるなど、皆様現役で頑張っておられることを嬉しく思います。
また、お知り合いの方の近況報告をして下されば幸いです。 
(G記)