|
夜逃げ (No4)
ワシ、外出時には荷物を、いっぱい持たないと安心ができへんの。
何でやろか思いかえして見よ。始まりは、高ニの頃に無免許運転が原因で私立高校をクビになり、一番喜んだのが両親でした。お金が助かる。家計費を圧迫してたのかな？ で、翌日には、
「昼間からウロウロされたら世間体が悪い。知人をつうじて県立高を自主退学した者が高松でバーテンをする。お前もほんな訳で即、入寮し」
刺激を覚え、給料日には風呂代とクリーニング代を残し飲食で使いきり、デタラメ三味で向えた正月に遅刻したら責任者から、
「町から出てゆけ。見かけたらコラエンぞ！」
と、脅かされ、急いで部屋に戻り紙袋に荷物をまとめ急いで田舎方向へのバスに乗り込む。やっとの思いで実家へ着くと、母から、体調不良・生活上での不満を、お腹が一杯に成るまで詰め込まれ、「年始からやっかい者が帰って来やがった」とイヤミを。 又、居場所を探そうか正月はいいね。都合の良い客が「お母さんも困るでしょう。俺が連れて帰るわ」と西宮市上甲子園の観光バス会社へ。当時18歳になれた時でして整備工の見習として・・・。
小次郎
|