夜逃げ (No5)
職場に遅れて、雇主のアンチャンにおどされ・・・
その時の仕事は早朝に西宮市場へ入り野菜と果物を仕入れアメ車のステーション・ワゴンに詰め込み、地元の団地を行商して廻る。午後は遊び場へ行く為の運転手でした。当時19歳ぐらいだったか、夜遊びが楽しい時期で、毎朝4時に市場へ入るのは辛かった。今思えば、自分が起した不始末の片付けをせず、「あ〜あ面倒クサイ! 放っといて、逃げよ、身軽だし。」
この時も実家へ逃げ帰ったのですが、居心地の悪い。居場所も無い。知人の部屋を泊まり歩き、かえすアテの無い金を借り、5年間程を、その日暮らしをしていたが、デタラメも山積みに成ると、借金取りがキツクなって、ほんなら今回も自身では解決できぬ、では、両親に相談は? 人間として信頼が出来ぬのにダメよ。死んだほうがマシ! 死ぬのは恐いから夜を待ち人目を避けて、島外へ出るフェリーに乗り、岸を離れた時は、うれしくて♪、うれしくて♪、逃げるのは刺激いっぱい。そして風に吹かれて高松へ・・が住所は無い。保証人は居る訳無い。ワシ犯罪者もどきやで。季節は夏だったの。自家用のガスも切れ、夜は蚊〜〜逃げる為に宇高フェリーの待合室で泊る。注意をされるとJRのベンチで寝る。
小次郎
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