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第23回香川県断酒会家族一泊研修会に出席・参加して

平成14年5月25日・26日の2日間、香川郡に所在するマツノイパレスにて開催されました。今回、これまでと違い、東部より南部へと場を移し、豊かな立地条件、設備の中でくり広げられた家族の赤裸々な体験話でした。いつもながら身につまらさせられるものがありましたが、年に一度当地に集い、エネルギーを備給している様が手にとるように伝わってきたものでした。尚、初日の特別講師であられたアスク・ヒューマンケアー研修相談室長の水澤都加佐先生が「家族の病とその回復」と題して2時間余りの講演を夕日がおちいるのを横目に熱弁され、夜明けのこない夜はないとつくづく感じたものでした。はじめに、ご自身の実兄がア症で亡くなったことについて話されました。この時、ご自身は専門家として働いていたのに見殺しにしたという内容でした。家族というのは本当に一番暖かくて、一番密接な関係なのだが、或る所から他人以上に冷酷になり、同居していた実父さえも死んだことに気づかなかった後悔のことが紹介されました。
アルコール依存症というのは破壊的な力をもっている病気だと。これを癌と比較してみるとよくわかる。癌になると家族関係は却って強くなる。しかしア症だと親子関係は最悪になる。夫婦関係は・・・「この家の全ての問題は皆お父さんのせいなのだ・・・」と思うわけです。このお父さんは「皆に嫌われて、愛されなくて見捨てられている。」と思いヤケをおこす。もう四面楚歌の心境になっている。
本来はアルコール依存症という病気と戦うのだが、お父さんと戦うことを日常しているのです。いわゆる代理戦争をしているのです。「もっとやれ、お互いをもっと傷つけろ」とこの家を崩壊させるのが依存症の目的なのです。だのに奥様方は「私がさんざん言うので飲むのでないか」「いつも髪ふり乱しているので飲屋に行くのかしら」と歪んだ発想をしてゆき、どんどん病気の影響を受けることになっている。つまり、@家族の役割を破壊する。A家族の中の儀式がなくなる。B家族のルールを破壊する。C家族同士のコミュニケーションを失くしていく、というハメになる。このような家族の中で子供は育ってゆくとどうなるでしょう。必ず子供は影響をうけるのです。安心感を与えてもらわずに大人になる。自主性、積極性、自己効力感、自尊心の乏しさへの影響が大きくなる。つまり根っ子に問題があるのです。
という内容が話されていきました。後半は7月号につづきます。

(文責:G記)