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日々がとてつもなく早く流れ過ぎ去ってゆく。そんな中、昔お世話になった某大学教授(今も現役)より、一冊の本が届けられました。香川の地を去って、今中国地方で死の臨床にたずさわり、勉強会を続けられ、その集大成としての一冊です。
ページをめくりながら、昔読んだ遠藤周作の「死海のほとり」というタイトルの本を想い出していた。小説終末部において"・・・その傍らにそっと寄り添うことしかできなかった・・・"としめくくられていた箇所を…。 この頃私はまだまだ若くて病院の中で何をすべきかもわからぬまま、看護職のテキパキと動く姿を見せつけられ、自分は患者さんに何も出来ずにいる無力感と情けなさを味わっていた。 しかし時を経た今、「そこに居させていただく」という基本的な人への寄り添い方、臨床心理学の基本を踏まえた上で必要に応じて枠を外すことと、その自覚化、その人に合った関わりをしていくことがぼんやりとわかりはじめて(?)いる。(外は何年かぶりの雪です。今、ここで一冊の本を手にすることで、懐顧させられた瞬間がもてたことに感謝します。)
今年も大学入試のシーズンが到来です。心理学系、それも臨床心理学希望者が人気沸騰だと聞かされる。心理業務は理論や技法(援助観)のうえに、自らのかかわり方を学び、あみだす…というものにかかってくるので、実践と学問をいかにバランスよく支えるか…が視点となるように思える。私も今日までど〜にかつづけてこれたのには、クライエントの方々に教わり、水先案内をして下さったからだと感謝している日常です。