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− ひまわり −

今年の天候はやはりケッタイだ。6月に当初真夏日があったかと思うと、下旬には秋の到来かとおもうような…膚でかんじさせられた。道に咲く花も紫陽花と秋桜が身を寄せ合って開花している。(何か奇妙だ。)
こんなとき、昔見た映画「ひまわり」(1970年の作品)を覚い出した。内容は戦争の悲惨さを、戦争そのものではなく、2つの交戦国の市民の側から見つめているものである。イタリア男が戦争に出かけ、ソ連で捕虜になり、その地で知り合った女性と結婚し、家庭を築き、子どもも産まれる。この男は故国に妻(ソフィア・ローレン)がいるのである。夫の生存を信じる妻は、夫を連れ戻すことを諦めて一人ソ連の地をあとにイタリアに帰っていく。その時、列車の窓から見える鮮やかな黄色のひまわりが群生する畑が画面いっぱいに広がる…同時に曲(ヘンリー・マンシーニの哀切なメロディ)が流れ妻の目から流れる涙が印象的。それをみて「感涙」させられたものです。戦争が残した傷の大きさ、それを乗り越えようとする人間の確かさをヒューマンな目とリアルな姿勢が今も焼きついている。