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―― は じ め に ――

 平成27年度に向けての会合が開催されております。次年度各分野において、世の中での関心ごとはアルコール・薬物(アデイクション)一色になりそうです。つい先日も香川県臨床心理士会主催で「自殺予防ワークショップ〜大切な人の心を守るために今、私ができること〜」と題して3時間のときを費やしました。「働き盛りの自殺を防ぐ」には、「10ケ条のおきて」があり、ここに気づくことが大事だと話の中心に捉えて進みました。うつ病の症状に気をつける、長引くからだの不調、安全や健康が保てない、仕事の負担・失敗が増える、職場や家庭からのサポートが得られない、自分にとって価値あるものを失う、飲酒量が増す、重症の身体疾患にかかると説明をされました。これは意識化されるものと無意識に潜行するものと・・とにかく原因不明の症状が長引く、ここがターニングポイントだと。こうして初診は内科が6割強、精神科はわずか1割にも満たないとのことです。同じく女性は婦人科受診を1割程度もあるとのことです。この中で、アルコール依存症の疑いを抱く目を持つことが大事だとも話されました。「欝・アルコール・自殺はトライアングル」だということを知って欲しいとのことです。(これらはアルコール関連問題学会では10年も前から訴えておりました!)このことより家族支援、つまりゲートキーパー(既にこの方法を他県では取り入れて開催されております)の学びを必要とするとのことです。
 対応方法としては、「心配していることを伝える(Tell )・希死念慮について素直に尋ねる(Ask)・絶望的な気持ちを傾聴する(Listen)・安全を確保する・自殺未遂は確実に精神科に(Keep safe)」と言うことで「TALKの原則」について説明されました。更に治療の原則としては「3の柱(薬物療法・絆の回復・心理療法)・チームで対応・長期のケアー」の必要性を訴えられました。
 不幸にして自殺が起きてしまったときの対応について、遺された人に起こりうる症状としては精神疾患(欝・不安障害・急性ストレス障害・心的外傷後ストレス障害)、身体疾患、群発自殺があり、遺され人に必要なこととしては3つのT(時・話・涙)を含めて、話を聴くよき隣人としてあること、話しての話は“思い出すことは大切な供養だ”からと説明されました。(これらのこともアルコール医療から学んだことだなと昔を思い出していたものです!)最後に<承認>と言うキーワードも出てきました。つまりは話しての側に立ちますよと言うかかわり方である。この言葉が言えるのは本心、真剣にかかわる者だから吐ける言葉ではないかとも感じました。どろどろの世界で、同じ立位置でともに悩んでいくということでしょうか。 後半はロールプレイ「心に寄り添う話の聴き方や声のかけ方」を実施として終了となりました。
 昨夜の雨から、1日中の雨の中、気分転換というのではなく何だか多少重たいものも感じ取った私でした・・・・・・・!  

(G記)
編集後記

 今日は桃の節句、ひな祭りです。昨日とは打って変わり曇天で寒い一日です。2月・3月は次年度を迎える準備に翻弄し、ゆっくりとお雛様のお顔を見ることなく月日が通り過ぎます。今年は雛人形を出す暇なく3月を迎えたものです。コアも新しい方々が登場して下さり、話す、物語を聞かせていただく素晴らしい時間を共有できる場となっております。またの場を提供下さる参加者様たちに感謝です。

(G記)