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『大切なものは、目に見えない』
サンテグジュペリ 「星の王子さま」
小さな星で一輪のバラと火山と暮らしていた王子様は、王様や呑み助など不可思議な大人の住む星を巡り、地球におりて、砂漠に不時着した飛行士と、キツネに出会う。キツネが別れ際に秘密を贈る。五千のバラがあろうと、心をかけ共に過ごしたバラは一つしかないと。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」水が尽きて夜の砂漠を歩く飛行士に王子は話す。「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだよ・・・」。
王子の壊れやすい体を抱えて、飛行士は思う。 「いま、こうして目の前に見ているのは、人間の外がわだけだ、一番たいせつなものは、目に見えないのだ・・・」 |
きっとこれまでに一度は手にして読まれた方もいらっしゃるだろうと思います。
酒害についての講和をお引き受けする折、この本をフト思い出し、棚から取り出してパラパラとめくるのが習慣になっています。
今年に入り、これまでかかわりをもたせていただけたア症者の回復者の方々がこの世から姿を消されていくことが数多くなっています。心のうちでは“一世代終了しているのかな!”と感じていたりしているこの頃です。
<indestructibility>
自分がここに生きていることを、存在したということは、だれも否定できない事実です。人間の存在は破壊しえないんだ・・というものを症者の体験発表より知らされてきた。これまでは、酒を呑み、呑んでごまかしている自分への恐怖、自分が世間から忘れ去られる恐怖をもっていたのでしょうか・・・。indestructibility
という言葉に深い意味をア症者はとらえているのでしょう。
「酒があるから今日まで生き延びることができた。」と奥深き人のこころを垣間みせていただけていた。
今、多様化し、スピード化し、こころをしっかり聴くこと理解することが、大人としてできていないのではなかろうか・・・とかんがえてしまうこの頃です。
夏休みに突入しております。お時間のおありの方は是非おすすめの一冊です。
(G記)