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(T.T)
「不可能性の壁〜懲りない人との関わりに懲りた〜」
部屋の中から誰かが「私を助けてくれませんか」と呼んでいる。
部屋の外のA「部屋に入ってかまいませんか?」
部屋の中のB「どうぞ入って私を助けてください」
Aはドアを開けてその人の部屋に入ろうとするが、ドアにはどうやら内側から鍵がかけられている。
A「ドアに鍵がかかっています。」
B「鍵はかけていません。どうぞおはいりください。」
A「やはり鍵がかかっていて入れません。鍵を外してくれませんか。」
B「鍵?鍵なんか私はかけていませんよ。かけてもない鍵をどうして外せるというのでしょう。」
A「あなたはどんな様子なのですか?どんな助けを必要としていますか?」
B「わたしはあなたと顔を合わせたいのです。私はとても苦しい。はやくなんとかしてたすけてください。」
A「あなたは目がみえますか?」
B「見えます。」
A「ドアに鍵がかかっているのが見えませんか?」
B「鍵なんか見えません。」
A「ドアをあなたが開けてくれませんか?」
B「わたしは手をケガしていてドアをあける力がありません。」
A「ほんとうにドアには何もかかっていませんか?」
B「かかっていません。あなたが入って鍵がかかってないのをその目で確かめてください。」
A「確かめるためには鍵のかかったドアを開けないと。」
B「あなたは私を助けたくないから嘘をついているのではありませんか?」
A「いいえ、私はあなたのちからになりたいと思っています。しかしドアに鍵がかかっているのでは入れません。」
B「苦しんでいる私を見殺しにするなんて、あなたは何て冷たい人なのですか?前の人もそうだった。誰も部屋に入って私を助けようとしない。もうあなたにはたのみません。」
A「残念です。あなたが自分で自分の部屋に鍵をかけている限り、他の人はあなたに近づいてあなたを助けることはできません。このドアを破壊できるバズーカでも持った人が通りかかったら別ですが。」
B「冗談じゃない。ドアは壊さないでください。」
A「他の人を遠ざけているのは、あなた自身ですよ。私以外の人に助けてもらおうとしても同じことが繰りかえされて、時間を無駄にするだけでしょう。」
B「いったい私はどうすればいいというのですか。あなたは私を助けてくれないのですか。」
A「今、私があなたの部屋に入ってあなたのちからになることはできません。時間がかかるかもしれないし、一生そのままかもしれないでしょう。他者が入るのを拒絶している鍵の存在を見ようとしない、あなた自身にあなたが気づいて、いつか自分で鍵を外す時が来ることを祈っています。グッドラック。」
B「鍵なんか見えません。誰か他の人を呼んできてください。」(最初に戻る。)
by T・T