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―― いつかの額縁 その後の展開 ――
かなり以前。コア誌に掲載していた玄関の額の件で昨年来に新たな展開(転回)がありました。重くて地震の時にでも危険だから、とはずしたとき、我が家の年寄りが激怒したので、結局、元通りに吊り直したのです。そもそも、この家紋入りの額は我が家の檀那寺の住職から寄付の御礼に、とくれたものです。ところが、そこに刻んである家紋は我が家の紋ではなく父方の祖母の実家の家紋であったのです。私の家と父方祖母の宗旨は同じなので、檀那寺も同じなのですが「よりによって寄付したのは父なのに、間違えるなんて失礼な。」と私はずっと不愉快でした。しかも、人の良いというか、こういう事に無関心な父と、「自分の先祖も、私がおまつりしてるから・・・」という責任感のあった祖母はこの額縁を家の一番、目立つ場所にかけてしまいました。
私はというと寄附金を出したのは、私じゃないから、と思い黙っていましたが、内心は「どうやの、これ。」と考えていました。父も、私も亡き祖父の姓を名乗っています――。本来なら祖母の方の仏様は別の者が守るべきなのですが、種々の事情でうまくいきませんでした。多分、今後も期待は出来ないでしょう。ですが、それも近くけりをつける事になりそうです。ところが、今年に入り事情が変わりました。額縁は下ろして私が買っておいた別の軸でもかけるか、しようと考えています。四季折々の、シーズナブルなオブジェやタペストリー又は短冊を用意してあるので、今から楽しみです。
長年に渡り(と言っても何十年でもないけれど)、我が家の内部をジリジリと支配してきた、この額縁を取り払うことが出来て嬉しいと思います。祖父や父の力の薄かったために失った物を取り戻すのは無理ですが、今年からは無遠慮に入りこんで来る輩を阻止し、私の家にしていきたいと考えています。
終わり。
(マーヤ)