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G記

「 何だか私 死なないような気がするんですよ」

と言い切った直後に亡くなった宇野千代さん。
<困難は避けてもなくすことは出来ない。その困難に身を寄せることによって、はじめて、困難は困難でなくなる>
<絶対の幸福も不幸もありません。悩みや心配事から解放されるコツはこだわらないこと、 これ一つです>・・・これらは晩年の千代の言葉であるがどれも明快でした。
モノの本に「心の中に風が吹き抜けて、幸せになった気分になれるから不思議だ」と記されていましたが、本当に千代の信じた幸福は伝染していったのでしょう。代表作に「おはん」がありますが、貞淑な妻おはんと、情熱的な芸奴のおかよが登場し、揺れ動く男の心境が描かれていますが、これは千代自身がモデルなのでしょう。
 

自由奔放な生き方と華麗な恋愛模様・・。終末期はフッションリーダー的存在ともなり、可愛さを垣間見ることができます。
でも晩年においては「私がふられているのに、世間から男を変えたように言われるのは何でだろう」 と親しい人にこぼしていたらしいことが記されています。
この千代は桜をこよなく愛しつづけました。天真爛漫な自分の真の姿を重ね合わせていたのでしょうか!
桜は人々に届く部分は美しいけれど、その幹には美を支える力があるのでしょうかね。
ところで今春、花見はされましたか? 8年振りの4月開花とか・・。