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アルコール症に関する国際交流講演会
テーマ 「長期フォローアップ研究が教えるアルコール症の回復と援助」
講師: ハーバード大学工学部教授/合衆国・カナダAA常任理事
Dr.ジョージ E・ヴァリアント
1ヶ月前の2月9日(土)午後2時〜5時という短い時間に教徒のキャンパスプラザ京都4Fにて講演会がもたれ室内は大勢の関係者、その熱気で興奮さえしていた。大筋は依存症の再発と再発防止について教えられることというものでした。以下、ドクターの語り口調で記します。
「20世紀には医師は傷を治すことができなかったが、唯一外科医が自然治療があることに気づくと同時に傷を責めるのではなく、受身で戦うことの大切さを認識していった。この頃1970年にはハーバード大学では<アルコール症者とどのように向き合うか>がテーマとなっていた。結果、一人で努力することではなく、回復した人々との会話により、自分探しがはじまるということに到達した。又、10年〜20年の追跡調査により、新しい人間関係をもつこと、つまり過去に自分が傷つけていない人達との結びつきを築くこと、AAに出席することだと悟っていった。ここでの分かち合い、ハグをすることで、新しい家族を見つけられる。(ミーティングに300回以上通っている) こうして12番目のステップを踏むことになるが、このハイヤーフリーという霊的なグループへの
『回心』 は "妙にささいな" 意義のある偶然のできごとを通して生じることが多く、そこから安定した回復へのきっかけが生まれる。つまり
"烙印のない新たなアイデンティティ" へといたる。」という内容でした。あとフロアーよりの一般質問があとをたたず、応答場面へと化した。
1点目は、酒に対しての日本文化と米国文化の差について。
2点目は、アルコリズムは遺伝的な要素が高いのか?
3点目は、一年目の断酒においての管理の在りかたについて。
4点目は、断酒会が日本に生まれ40年近くなるが新入会員、実動人員は減少しているが、AAの現状は?
5点目は、日本でのAAの匿名性の意味は?
6点目は、断酒会は、ヒエラルキー構成の為、スピリッチュアリティーを理解できないのではないか?
7点目は、「専門家の関与は無力であると言うが・・・」?
と展開した。こうしてドクターは「50年かかってやっとデンタルプラシを使うことを知った」としめくくられた。やはり「回復の道筋は自助グループ!」なのだと今さらながら痛感した。
講義を終えて外に出ると、一層空が灰色となり目前に雪、寒さが身に凍みたものでした。
(情報提供:後藤美知子)