清原和博さん 啓発イベントで薬物依存の経験を語る
覚醒剤を使った罪などで有罪判決を受けた元プロ野球選手の清原和博さんが、依存症の治療を受けている当事者として厚生労働省のイベントに参加し、「薬物を使っている時は、使うためのうそをつき苦しい日々でした。近くにいる人につらいと言える環境が大事だと思います」などと語りました。
元プロ野球選手の清原和博さんは、3年前、覚醒剤を使った罪などで執行猶予の付いた有罪判決を受け、現在、依存症の治療を受けています。
清原さんは、6日夜、東京・銀座で厚生労働省が開いた薬物などの依存症についての正しい知識や理解を呼びかける啓発イベントに当事者として参加し、医師と対話する形式でおよそ10分間にわたってみずからの経験を語りました。
まず、イベントへの出席を決めたことについて、「逮捕されて3年になるが、こつこつ治療をしてきたことが認めてもらえたんだと厚生労働省からの依頼をうれしく思いました。自分のように苦しんでいる人のためになればと思い、すぐに決めました」と話しました。
そのうえで、現在の治療についても語り、「僕が治療を受けるきっかけとなったのは逮捕されたことでした。今は2週間に一度病院に通って薬物について勉強をしていて、そうすることで自分の状況を理解できたのはよかったと思っています」と話しました。
そして、同じ悩みを持つ人に対しては、「薬物は一時的にはやめられてもやめ続けるのは難しいです。勇気を出して専門の病院に行ってほしいです」と呼びかけました。
清原さんは言葉を選びながらひと言ひと言ゆっくりと話を進め、最後に「薬物を使っている時は、使うためのうそをつき自分を追い詰める苦しい日々でした。今はいろいろな人に支援され支えられていて、身近な人に正直に言えるようになりました。近くにいる人の理解があってつらいと言える環境が大事だと思います」と語りました。
依存症は意思が弱い人がなると誤解されがちですが、適切な治療や支援によって回復が可能な病気で、厚生労働省によりますと、外来で治療を受けている薬物依存症の患者は全国で年間およそ6500人となっています。
厚生労働省は「依存症の人を社会の中で孤立させず、治療や支援に結びつけていくことが大切だということを清原さんの言葉を通じて多くの人に知ってもらいたい」としています。