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(T.T)

<先月のミーティングより> 「誰のペース?」

最近また本に出会いました。
NHK出版「インナーチャイルド」 ジョン・ブラッドショー、1993
ヘルスワーク協会「ほんとうの『私』のみつけかた」スティーブン・ファーマー,2000

それぞれアダルトチルドレンとして育ち、カウンセラーになった男性が書いたものですが、新しい発見がありました。(たとえば私にあてはめると、祖母、母、私の三世代に伝わる感情反応)
ただ困ったことに、同時に、一旦私の心の中で棚上げしていた、私にとって不愉快不名誉に感じられていた過去の記憶が次々と思い出されてきて、寝れなくなってしまいました。ある朝には夢にうなされて(母が何も言わずに自分の部屋に侵入してくる夢)「くるなー」「かえれ」と本当に叫んでいました。
こういう本というのは、心の抑圧を解いて、自己制御の壁を壊すので、苦しい本でもあるのだなと知りました。
また、「ひきこもりミーティング」の宣伝のために、不登校の親の集まりに顔を出して自己紹介をしたところ、「いじめられた経験はあるか?」と聞かれました。これは痛いところでした。私の中では自分がいじめに会った経験というのは、自分の経験の中でも他人に話しづらく、しまっておいた経験だからです。こういう、話しづらい経験を話してゆくうちに、段々と何でもない自分の経験のひとつにできるのかもしれません。
そのようなコンディションのなかで、7月21日、コアのミーティングに、ひきこもりの雑誌で知り合った大阪のACの主婦、Iさんを案内する日になりました。Iさんと 歩き遍路の為欠席、という予定でしたが、ACのミーティングの事をお伝えしたら、そちらに興味を示されたので、そちらをメインにすることになりました。
直前の通信に、私は欠席する旨書いていたのに、いざ来てみると出席者六名。(後藤先生は欠席)
「裏切者〜〜(笑)」という気持ちは、素晴らしい出席数で、「皆さんよくいらっしゃいました」に変わりました。
ミーティングはF子さんと、祥子さん、それぞれ最近身近で心脅される出来事のあった御二人が語るというペースで進みました。
実は前夜寝不足で疲れていた私は 聞くだけで精一杯なのでした。こういう時もあるんです。お客さんと一緒なので来ないわけにもゆかず、人とのつきあいもなかなかつらい時があります。ところがIさんも、早朝に大阪を出発されて寝不足気味だということがわかりました。
そういう訳で、コアのミーティングの後、車で送りますという祥子さんの申し出に私とIさんは、立前の予定の歩く遍路を捨てて、祥子さんの自動車に乗り込んだのでした。あとは祥子さんのペースで車遍路となりました。長尾寺から志度寺へ。祥子さん、ありがとう。
後日、熱中症の要因のひとつに「寝不足」があげられているのを知りました。結果として私達は祥子さんの申し出に助けられたのでした。そして欠席することによって祥子さんの車を空けることになった、後藤先生に間接的に。
(翌日、私とIさんは高松駅で待ち合わせ、用意した二台の自動車に乗ってACA、AAの12ステップを元にしたAC当事者によるミーティング、に参加後、Iさんがフリーマーケットに興味があるというので、市内のリサイクルショップを三軒回ったのでした。Iさん一着、私は三着購入で1050円也。)
その他に感じたもの
岩月謙司著「家族のなかの孤独」ミネルヴァ書房,1998
一理あり。「自分がない」ACどおしのつきあいだと、お互いに「本当に自分がしたいこと」を表に出さずに相手がしたいと思っていること(相手のペース)につきあってよしとしてしまう危険があります。
私も楽しくないけど楽しいフリ、相手も楽しくないけど楽しいフリ。「疲れたら、休もう。」その言葉に忠実であるのが「ひきこもり」や「不登校」なのだと考えると、あながちそこから脱出することだけをOKとは言えなくなってきました。
7月末のフリーマーケット出店はおじゃんになりました。いつも前向きでがんばっているということでもないのです。 

<クズモ>

(投稿) 「赤い信号の男

男は女性と喫茶店に行くのは久しぶりだった。
ひきこもっていたので10年以上になる。
彼女らはあるミーティングで一緒になったメンバーだった。
・・・・・だが気がつくと男は一人だった。
舞い上がっていたので信号が赤なのに気づかず渡っていたのだ。
自分のペースで歩いていた女性達は赤信号に気づいて立ち止まっていた。
黙って男の後ろをついては行かない彼女達に向かって赤信号を渡ってしまった男は心のなかでつぶやいた。
「うーん あんたら これからの人生も 間違えんわ。」
もちろん冗談だ。

<この夏まだ鰻とかき氷を食べていない、クズモ>