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(T.T)

ひきこもり短歌 (詠人:クズモ)

ひきこもりライフ編
目がさめて あたりを見ると もう夕暮れ 今日も行けない この繰りかえし
警報機 母が近づき ピンポンと 部屋の電源 今日は切られず
電源を 切るのはいいが 冷蔵庫 溶けて流れる 親の頭上で
次なる手 兵糧攻めで ゴミ漁り 先客野良犬 俺と同じ目
これまでは さんざん侵入されたけど 拾ったゴミで バリケード作り
ゴミあさり 初めてみれば 意外にも 服にも靴にも 困ることなし
冬の夜 6個も捨ててる コンビニ弁 期限は昨日 食べたが死なず
ゴミ袋 あけてみたらば 女物 失礼しましたと また捨てに行く
真夜中に 起きて息子はゴミ漁り 拾ったお宝 昼、親が捨て
あらなんだ リサイクル屋で値段みりゃ ゴミ漁るより 買うほうが楽

御こもりさん編
こもり人 ボロ着て目に隈 お買い物 おこもりさんにぞ まちがわれける
家あれど 心はいつも ホームレス へたすりゃ本当に 明日ホームレス 
ひきこもり おこもりさんに まちがわれ 家はあるよと ボケにつっこむ 
無職だと 初めての店でうちあけりゃ 今夜寝るとこ あるのと聞かれ
 
自己洞察編
ひとつだけ うかんでいないコイノボリ ことばはうかぶ あ、あれは僕
ひとつだけ こんな俺でも 自分への 自信のなさには 自信がある
あとからね 通過点だったと 言いたいね だけどあせらず   ぼちぼち進もう 覚悟は一生
ACは称賛にさえ傷ついて 好意の批評 仇と散るらん

家族・無関心編
親達の気の利かなさは 殺人的 子が壊れても それがどうした
物音に あら出かけるのと 奥の声 帰ったところさ このワカラズヤ
育てかた 間違えたんだと 言うのなら 責任とって 一生 養え
放任と 言いわけしても 処理できず 放置息子と 放置夫と
10年目 親たち全然 変わらない 死ぬまで待っても こりゃ期待薄
偽りの 自己肯定が鳴りひびく 演歌の一曲 何度も何度も
偽りに イキイキしても バレバレだ 愚痴のつぶやき 子は聞きもらさず
わが篭り あの男なら ダシにして 母にクダ巻き おねだりするらん
昨日の傷 こもりて癒せば 今日また傷 きりがなくなり こもりきりかな
糞の香が 吹き抜け昇って 知らせます 開けたままする親 つつがなし
休日は することない親こもりきり 息苦しく出る これじゃアベコベ
仲間たち 共通体験わかちあい その頃家では 親化かし合い