映画 『光の方へ』 より
先日、8月10日にAKKかがわで上映会がありました。
映画を観た印象を綴ります。
家を省みないアルコール依存症の母親と暮らす二人の息子。
その幼い子供二人には、まだ赤ん坊の弟がいた。その弟の面倒を二人でみていたが、ある日赤ん坊は亡くなる。兄弟は小さな命が亡くなったことに自責の念を抱いたまま、それぞれに大人になる。
その後、母親の死をきっかけに二人は再会するが、それぞれに心の苦しさを抱えていた。
兄は酒に溺れ、弟は幼い子どもを抱えていたが薬物に溺れていた。
幼い頃、赤ん坊が亡くなったのは二人のせいではない。兄弟は幼い子どもながら、精一杯やっていた。そう、二人はまだ大人の擁護が必要な幼い子どもだったのだ。助けが必要だったのは、その二人の幼い子どもだった。
大人になっても、傷ついた子どもの心は、ずっと存在し続けた。
大人になった弟には小さな息子がいた。弟は息子と一緒に生活していくために、薬物の売買の仕事に手を染めていく。その息子と、幼い時に亡くした赤ん坊の弟を重ねてみていたのかもしれない。
結局、弟は罪に問われ、刑務所へ入れられ、自殺する。
そして、残された小さな息子と兄が現実世界で手を取り、物語は終わる。
弟は亡くなったが、幼い時に亡くした赤ん坊と重なって存在している弟の小さい息子と
兄が生きていくことが、“光の方へ”という暗示のように思われた。兄弟が幼い頃に見ていた“光”=生命の輝き で命がつながれ、生かされていく。
(サンシャイン)