「命を支える言葉」

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 「命を支える言葉」と題して柳田邦男氏の講演会が「香川命の電話協会」「県の健康福祉部」との協賛で香川命電開設は1984年で日本では14番である。この時はモノの豊かさから、心の豊かさへの時代変換をとげていた高度成長期まっただ中のことでした。現在は眠らぬダイヤルとして24時間の運営をしている。今の世の中、自分の力だけではどうにもならない時代へと命電理事長より説明をうけ、本筋に移った。
 柳田氏は「脳死の検証会議」の一員としてもやってこられている。
冒頭で「言葉は大事、神様から与えてくれた人間だけが使う、生きるうえで大事なもの」とおっしゃられ講演会がスタートした。
 「言葉にはいろんな側面がある。"腹割って話してわかった腹黒さ"(川柳)ということもある。」
 「今井美樹さんという歌手がいたが、32才のとき歌うことができなくなり苦しんだ末、『犠牲―サクリファイス』(柳田著)を手にし読み、乗り越えられたという。私自身は25才で息子を死においやった、追悼の意味を込めて記したものだが、彼女は"孤独に対しての絶対的恐怖は皆同じなのだ・・"と気づいたという。同じモノでも人それぞれ違ってくるのです。ある時、小学生に"たったひとつの命だから"を枕詞にして文章をつくってもらったらおどろきました。自分の今後という内容を表す生徒もいました。熟考しているのです。日本の戦後はこれまでは<戦争体験>を記すのが流行ってましたが最近は<闘病記>を記すことにエネルギーが注がれております。これは辛い経験を記すわけですが、心の中のカオスを字にすると客観的になり自分自身を見つめなおすことができる作業となるのです。マルチンルターが"地球が明日終わるといってもリンゴの木を植える"と言ったのは余りにも有名なことですが・・・。光の中にいる間を生という。海底のヤミの中でも生き抜ける・・・ということです。このように心を純化させていき、人が人を許せるようになるのです。このような考えから、最近、荒川区の親子さん達と絵本の読み聞かせをしています。子どもの心を育てる心の発達を促す・・・絵本はそんな内容が多くあります。私も世間の絵本を翻訳して世に貢献できたらと願いながらの余生です。」 としめくくられた。

 おすすめ図書として、
①「でも、わたし生きていくわ」
②「大切なきみ」(マックス・ルケード著)
③「ルリュールおじさん」(いせひでこ)
④「ヤクーバとライオン」(上・下巻)
⑤「みんな,絵本から」(柳田邦男著)
(G記)