平成21年11月14日(士)午後1時開場で1時30分開始、終了は4時。テーマを「アルコール関連問題―アルコール社会と飲酒問題―」とうたい猪野亜朗先生の講義を60分ほど受け、後に質疑応答を数分加え、ブレイクをはさみシンポジュウムを開始。シンポジスト3名(かがわ県警本部・養護教諭・当事者)に猪野先生をコメンテイターとした。
飲酒に問題があることを否認しきれなくなった日本社会の現状、自殺にはアルコールが潜んでいること(死のトライアングル)、アルコールと欝との関係、アルコールは癌の発症を促進させアセトアルデヒドには発癌性があること、アルコール依存症と脳科学の進歩などの説明(飲むほどに、脳の容積は小さくなる)をスライドで受け、アルコール依存症とは飲み続けることで飲酒渇望は減ることなく人柄(情動コントロールの障害・思考の障害・睡眠の障害・記憶の障害・協調運動の障害・ストレス感受性の障害)を失い狂わせ、次第に飲酒者を軸として家族役割を壊し家庭を崩壊させていくと締めくくられた。こうして家族の苦しみは継続し飲酒運転でも追い討ちをかけることになる。飲酒運転の背後には多量飲酒者、アルコール依存症者が67.5%も検挙されている現状がある。わが香川県は交通事故・飲酒運転死亡者が日本一であるという、何故にこのような結果になっているのか、これを今後の課題としていかねばならない。
シンポジュウムにおいては、香川県警より飲酒運転事故発生の現況(全国トップ)を報告して下さった。養護教諭よりは、思春期からの飲酒防止教育をしていくなかで家族のありがたさを知り、良好な対人関係を結んでいくエクササイズの報告をして下さった。当事者からは「飲酒当時の人身事故、止めれないで来た過去は人であって人でなかった」と淡々と述べられ、すごい説得力がありました。
以上です。これから考えられることは、専門家の見方と自助グループの体験発表と関係者の現状報告の組み合わせは飲酒運転でも連携医療でも有効だと思ったことでした。
あと、演者の先生からのご指摘は「・・・現地医師の参加がなく、行政の方々の参加もなく・・・まだまだ課題がありますね・・・ローカルな条件によって、取り組みにバラつきが出たり、取り組みが困難にならないように、やはり国レベルの方針が必要不可欠ですね・・・」と言われたことでした。