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− 日野原重明先生 −

 半月程ですっかり涼しくなり秋の気配を感じます。実家の父親も今年はじめて敬老会の案内状をもらい出かけてきたそうです。なんやら奇妙な風でした.嬉しくもあり、老いた自分を認めることも抵抗あるような。しかし当日はまっ青が広がっておりました。

 業務の方も秋季ということで学会のラッシュです。そのひとつ、第43回全国国保地域医療学会『健やかな地域社会をめざして、青い国四国からの挑戦』に出席をしました。その中で初日の特別講演で演者である日野原重明先生(皆様TV等マスコミでご承知のことと)が「老人大国になる日本の将来を考えての新しい子育てと健康増進運動」と題されての講話について少しお伝えします。
  先生は明治44年産科の91才です。身体こそ小柄ですが、声にハリと艶があり目を疑うものでした。内容はひとことで、「65才以上の方々をいかにすればよいか?」というものでした。現状で2400万人が65才以上で人口の1/5に当たる、75才以上は1000万人であり人口の3割近くが高齢者で占められている為、生産人口が急減していることが日本の将来を危ぶむところである・・・。
  そこで高齢者のヘルスアップに期待してゆこう! ・・・ということが課せられるが、医療界において機械が発達すればする程、疾病が発見され治療にのせる現状である為、働き盛りの検査の目安と多少判定基準を違える必要があるだろうということです。また、ニーチェの言「病む生きもの」と考えると今後、健康の定義をも変更してゆかねばならない。老人保険は75才とし、健やかな老人が健やかな次世代を作ってゆくのだと考えることだ。健という字は1人で安定して立つ、更に行動力がある。人はされるがままにされるのではなく、自ら(霊魂をもち、生きがいなるものを見つけ常に(身、心、魂)ダイナミックに動いていることだ。その時<私の存在は社会のなかで意味がある>と感じられることが大切だ。そこでヘルスプロモーションなるものを作り、高齢者のエンパワーメントをはかってゆくことを考案している。新老人のスローガンとして、<愛すること、耐えること、創(はじ)めること>し、時間を効率よくするのには、今のシステムの変換を求める。そこには<勇気>を必要とする。これらを見届ける為にも、あと10年は生きる目標を自分としては持っている、とくくられた。
  すごい迫力でした。ただただすごい・・・! というものでしたが、同時に自戒したく、まとめてみました。マインドの必要性、生きててよかったというものは我々にも通じるものがありますよね。

♡  (G記)