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香川県精神保健福祉大会(47回)

 先日、「香川県精神保健福祉大会(47回)」が三木町で開催された。大テーマは古くて新しい「人とつながり 社会とつながろう〜自分らしく生きる この街で〜」です。講師は香川大学医学部臨床心理学科(今春より)学科長の黒滝直弘医師より「心の病の理解と回復のために必要なこと」と題されての講演でした。
 開始と同時に岐阜県を舞台にとした、神山征二郎監督の「ふるさと」という昔々(俳優さんの大半が他界してる)の映画が流れ始めました。ダム建設のため村人は住処を離れて新天地を求めていくなかで、妻をなくし息子夫婦と同居している大御所の男性(父親役)が時代の変遷についていけず一人佇む意向を示し、徐々に認知症に侵されていく様が描かれている。
 家族のなかで呆けいく親を横目に見ながら困惑する夫婦が映し出される。一方父親はそんなことは露知らず日々を過ごす。暇な時間は子どもたちの魚つり支援を指導し、一方で子どもの真摯なエネルギーが注入され、惚けが薄れていくようにさえ見える日々が映し出された。最後に身体不調が出没し川床で倒れ、子ども(仙太郎)は不安を抱きながらも、懸命に村人を呼びに行く様が描かれる。このとき10歳の仙太郎を気遣いながら目を閉じる老人横たわっている。同世代の大人からは邪険にされるが、子どもとの関わりを通して元気が回復し、最後は信頼感を得るまでになり・・・なくてはならない存在として映し出される。
 監督はこの中で何を伝えたいのか・・・「喪失」であろうと考えます。生きているということは結局何かを失うこと、だからこそ、年齢を重ね、今を大切に生きていかねばならないということが伝えたかったのでしょう。
 “誰かがあなたを待っている”(フランクル)と言いのけた偉人がいます。だからこそ命のぎりぎりまで喘ぎ貫き通そうと誓うのです。
 “病気になったのは誰のせいでもない。残念ながらその病気を治すことはできない。しかし、病気と共に生きることはできる。あなたは一人ではない。”
 最後に「ソトス症候群の家族会」についての説明が有りました。

* 参考:古い映画です!「ふるさと」


お 知 ら せ

 * 通信は隔月ですが、定例会は毎月実施!
 * 先月、新しい方が参加下さいました。感謝です!


編集後記

 すっかり秋の風景です。先日、枯葉を踏みしめながら京都大学校内にあるレストランに出向きランチをいただきました。美味しくて驚くほど値段が安く、老若男女が集っており高松では見られない雰囲気を味わってきました。帰路ではバスを利用しましたら京都駅に着くのが1時間弱・・・かかりました。何・・・?
 翌日、自宅で新聞紙を広げると「京都南座の改修工事終了のお披露目」とあり、歌舞伎役者さんが勢ぞろいし、お練りを・・・残念!後の祭り。リサーチしておけば下車してその場に出向けたのにと・・・。思いつきで出向く習慣は損をしますね。ドジな秋の一日でした!

(G記)