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―― は じ め に ――

 今年の夏の本格派は遅かったように感じる。なんだか早くから温度が急上昇するやら下降するやら不穏な日々、さすがに鰻のシーズン到来時期には蝉の羽音も聞こえ、夏本番の雰囲気になっております。
 TV、新聞ニュースは良くぞここまで怖いニュース報道しかないのかと言うほどの内容です。飲酒 − 談合 − 独りよがり − 議員バッジ剥奪 − 薬物(脱法ハーブ)− 交通事故 − 人攫い、大人から青年期層まで発展してる。
 本当に暑い夏です。泣き叫びながら自分を主張する人々、自分を目立てなくするために空気のように息を潜めて暮らす人々、何かを仕出かし目立ちたい人・・・・混在している。しかし根底にあるものは「寂しさ」かも・・・・。小学生頃の記憶ある歌を披露します。「歌を忘れたカナリア」です。・・・・♪♪♪

「歌を忘れたカナリヤ」 (童謡)(詩・西条八十)

歌を忘れたカナリヤは 後ろの山に棄てましょか
 いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリヤは 背戸の小藪に埋けましょうか
 いえいえ それはなりませぬ
歌を忘れたカナリヤは 柳の鞭でぶちましょうか
 いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリヤは 象牙の船に銀のかい
月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す ♪♪♪

   注)カナリヤはカナリアのこと

 美しい歌ですが・・・皆さんはご存知ですか!この歌は傷つきやすい子どもらの心に希望を与えようとして作詞されたものです。カナリヤはとても弱くてフライジャイルな存在なのです。かよわく、はかなく、傷つきやすいものの象徴とされました。そして、カナリヤは誰よりもいち早く他のものに危険を知らせる鳥として存在しました。西条も自らの創作活動に行き詰まりを抱き この歌が完成したといわれています。
 私たちは「強くあらねばならない」と信じ、かよわさ、はかなさ、傷つきやすさは克服すべきものと考えていませんか!むしろ克服すべきものではなく、寄り添いながら生きてゆくものではないでしょうか。かよわさ、はかなさ、傷つきやすさは私たちに大切なものを気づかせる大事な能力です。周囲に大切な役割を担っているのです。
 歌を忘れたカナリヤも自分の居場所を見つけることができれば再び美しい声で歌いだすのではないでしょうか.・・・。   (G記)

編集後記

  7月は新人さんが加わって下さり、新しい風が流れてきました。今後も是非足を運んで欲しいところです。
 今、夏本番、鰻は絶滅状態ですがトロは近大で開発されて庶民の口にも入りやすくなったとか・・・。
 PC打ちながら汗が流れています・・・・・

(G記)