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「きいろいゾウ」

〜きいろい世界の中で〜

幼い頃、きいろい満月にからだが強くなりますようにとお祈りをしていた。そのうち、きいろいゾウが自分の所へやって来て、それからいろいろな声が聴こえるようになった。

そして、大人になった今も、月が満ちてくると調子を崩し、ソテツやヤギ、アリたちの声が聴こえ会話する。

これは、映画『きいろいゾウ』の“ツマ” のことだ。この映画は同名の人気小説を映画化したもので、私は映画で初めてこの話を知った。映画の中でも、映画パンフレットの中にも説明はないが、この“ツマ”の描写を見て、私は統合失調症を頭に思い浮かべていた。

自然界の影響を受けやすく、植物や動物、虫たちと会話する“ツマ”には、独自の世界観がある。

映画は“ツマとムコ”の二人を軸に物語が進むが、観る視点(語り)は“ムコ”だが、映画それ自体の世界観は“ツマ”から見える世界観で彩られているように感じる。

そして、象徴的な“黄色”。満月の色。ゾウの色。光で包まれた世界。

“ツマ”役の女優の表情も“病的な表情”に見える。(“病的”という表現には語弊があるかもしれない。“独特の世界観を持った人”としての、と言い換えた方がよいか。)

この1映画のもととなった小説の原作者は、現在35,6歳という。もしかしたら、ご自身の体験されている世界観を表しているのでは、と思わされた今日この頃であった。

その後、この物語はどう展開していくか・・・・興味のある方は、−度ご覧になって

(G記)