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エフコ

ドイツ・ノルウェー紀行  

―― ノルウェーへ ――   

  朝、4時過ぎ。ブレーメンの娘の家を全員で出発。ブレーメン空港6時5分発のプロペラ機。約1時間後オランダ・スキポール空港到着。9時40分オランダ・スキポール空港・11時20分ノルウェー・ベルゲン空港着。リムジンバスで約30分ベルゲンの中心部へ。

 いよいよノルウェー。夫が一度行ってみたいと思っていたノルウェー。飛行機が降下するとパズルのような島々のノルウェーの国土が見えてきた。海の中に島がいっぱい。パズルのような平たい島々のところどころに家並みが見える。岩盤の島のよう。いざ、北の果てノルウェーの地へ。
 バスを降りて10分位歩いてホテルへ。ホテル到着。ホット一息。ホテルはバックパッカー用の様式。部屋の内は、しばらく生活できるようになっている。冷蔵庫、調理台、流し、電気式レンジ、洋服ダンス、机、椅子、蛍光灯、シャワー、トイレ、ベッド(シングルス)二段ベッド・ソファー。広い広いワンルームマンションのよう。

 ホテルに着いて一息入れ、街中へ。海が近く、街のすぐそこが海で山で、という感じ。海岸に露天の市場があり、魚屋さんが何軒もある。軽食の店があり毛皮の店が何軒もある。寒い国なので毛皮・毛糸の手編みの、ぶ厚いセーター・帽子が露天のあちこちにつるされている。動物の剥製もある。
 魚屋のノルウェー人のお兄さんが試食用のキャビアを私の手にのせてくれた。高級な食材としてのキャビアだが、私の感想は“あまりたいしたものとじゃない。お金を出して買うほどのものじゃない”と、買うのはやめた。

 日本ツアー客もいる。海産物のお店には、日本人の女の子の店員がいて、日本人の観光客が盛んに、女の子とおしゃべりをしている。中国人のお金持ちと思われる団体の観光客もいる。
 ノルウェーの国は、国土全体が堅い岩盤で出来ているよう。ベルゲンの住宅は屋島ぐらいの高さの山に段々に建てられている。緑の木々と白を基調とする赤い屋根の家々が山の頂上に向って整然と建っている。異国の美しい景色に息をのむ。どの絵葉書にもこの場所の写真が入っている。世界中の人々が美しいと認める場所。
 ケーブルカーで山の上に登り海の方を見ると、フィヨルドの海岸線。そのフィヨルドの島々に、整然と並ぶ白い壁を基調とした、赤い屋根の家々・教会。冬の寒さは厳寒の国だから、どの家の屋根にも暖房の煙突が見える。
 世界各国からの観光客が山の上で観光を楽しんでいる。ケーブルカーの放送は一切ない。ただ時間通り運行されているだけ。日本だったら15分位ケーブルカーに乗っても歴史とか景色の案内があるのに、このケーブルカーにはない。

 この季節の北の方、トロムソでは真夜中の太陽が見られるのは5月20日から7月22日までとか。私達が行ったベルゲンは比較的南の方。首都のオスロはベルゲンよりもう少し南。
 ノルウェーでのはじめての朝、3時半目が覚めた。外は明るい。それでも外灯はついている。明け方の静かな街に何組かのカップルが行きかっている。街の中をカモメが鳴きながら飛んでいる

 ノルウェーでのはじめての朝、3時半目が覚めた。外は明るい。それでも外灯はついている。明け方の静かな街に何組かのカップルが行きかっている。街の中をカモメが鳴きながら飛んでいる。
 8時半出港のフィヨルド観光船に乗る。ベルゲンの港を出てそう遠くないところに、サケの養殖場がある。海の中に巨大な、網を張りめぐらせた丸い囲いが何カ所もある。海の中の石油採掘場も見える。


 フィヨルドの中を高速船が走る。遠く近くに雪の山、どの場面を見ても美しく素晴らしい景色。高速船は、どんどんフィヨルドの中を進む。クリストフは最初から船の舳先に陣取っている。高速船の舳先は寒い、そして強風。毛糸の帽子。冬物の分厚いジャンバー、手袋をつけカメラのシャッターを切っている。私も時々船室の外へ出てみるが強風で吹き飛ばされそう、寒い!
 高速船はフィヨルドの中をどんどん進む。広いところ・狭いところ。山はいきなり海に落ちている。雪どけの水が滝になり、滝がそのまま海に落ちる。遠くの山、近くの山には万年雪が白く光っている。フィヨルドの中は行けども行けども、山が重なり、息をのむ美しい景色。時々小さく家が見える。自然の山と滝・岩盤に生えている緑の木々。カメラのシャッターを切っても切っても、美しい景色が展開されてゆく。

  時々高速船が減速して小さな港に入る。数人の人が下船・上船する。港近くに車を駐車させている。バスも見える。港近くにスーパーマーケットが見える。又、高速船が走る。どこかの港で、ご主人が子どもをおんぶして、奥さんがリュックを背負ったバックパッカーらしい家族が下船した。又、別の港では観光客用に船の時間に合わせて民族衣装を着た人達が見送ってくれる。又、フィヨルドの中を走る。見飽きない素晴らしい景色。
  又、船が減速した。港でもないのにと思っていると、船員さんが指差す方に野生のアザラシが5匹寝そべっている。山の端の岩の上。船の皆の注目をあびて、カメラのシャッターの音に驚いたのか、順番に海の中にもぐってしまった。
  フィヨルド観光船の旅4時間余り。上陸。高速船の船着場のすぐ横にフロム鉄道の駅がある。列車が到着すると、満員の乗客が降りてきた。世界各国からの観光客が列車から高速船の方へ向う。
  日本人の観光客のツアーも3組(約50人)いた。その中に80歳を越えていると思われるご夫婦が一組。ご夫婦共に杖をつき、リュックを背負っている。ご高齢になっても日本からこんなにも遠いところまで旅に出られるのだなーと、感心するやら希望がもてた。

  フロム鉄道(車体は緑)・ベルゲン鉄道(車体は赤)と乗り継いで出発地点のベルゲンに向う。沿線は世界一美しい景色と聞いていたが期待通りだ。美しい緑の景色が続く。万年雪をいただいた山々が連なっている。あっ、学校らしきものが見える。子供がいる。小さな学校。山の中だからだろうか。列車から見える家は規模が小さく見える。寒い国だから小さな家にするのかな。どの家にも暖炉の煙突がある。山の中に家が点々と見えると思ったら、ずーと緑の景色。遠く、近く、万年雪をいただいた山・山・山。壮大な滝があっちにも、こっちにも。

 駅でもないのに列車が止まった。ここは大きな広い広い滝の前。ノルウェーの民謡か、大音量の音楽が聞えている。妖精に扮した女性が岩の上で滝をバックに踊っている。それは鉄道会社が、その場所でカメラタイムを取ってくれたよう。これは5月〜7月までのサービスとか。
 フロム鉄道からベルゲン鉄道への乗り換えの駅は高地のようで足元には万年雪。フロム鉄道の車体は緑色。ベルゲン鉄道の車体は赤。高地の駅に両方の列車が並ぶと、岩肌が見える万年雪の山と列車の色があざやかで華やかに見える。列車を降りると、ピーンと冷たい空気・大自然のおいしい空気が体いっぱいに入ってくる。

  列車で走っても駅というのがあまりない。それだけ人口密度が低いのかな。ノルウェーは堅い岩盤の国土。トンネルは岩をくり抜いただけのもの。セメントというのは、ほとんど使っていない。午後5時半頃ベルゲン駅に到着。ノルウェーの駅にも改札口というのはない。皆それぞれに列車に乗る。走行中に車掌が切符を見に来る。列車の中には子供の遊び場がある。なかには遊具がいろいろある。

 ノルウェー3日目。ホテルを出て駅へ荷物を預け、港近くの世界遺産を見に行く。ノルウェーは昔からバイキングの国。愛国心が強い国のよう。いたるところにノルウェーの国旗がかかげられている。ノルウェーは美しい国。ドイツもゴミが落ちていないがそれ以上にノルウェーはきれいだ。どこの国にも落書きがあるのかと思っていたがノルウェーにはほとんどない。
 二泊三日のノルウェーの旅は終わった。夫の希望のノルウェー・フィヨルドの旅。夫曰く「娘夫婦のおかげで冥土のみやげができた。」
 一才にも満たない、2番目の孫はベビーカーに乗って、私達の旅に全部付き合ってくれた。体調も崩さず、よく付き合ってくれたと孫に感謝。

 

―― こぼれ話。――

 オランダのスキポール空港。男子トイレの小便器の真中より、ほんの少し左に蠅の絵がかかれているよう。薄くかかれていているよう。何だろうとじっと見たら蠅の絵だと思うくらいだとか。
 もう一つの話。ある男性がドイツへ行った時のこと。「小便器が高くて困った。あちらの人は背が高いから小便器も高くしているのだろう。端に子ども用の低い小便器がある。しかし沽券にかかわると思って、ドイツにいる間、背伸びして用をたした」とのこと。西洋人は、全体に大きいので便座の場合も日本より高い。

 ドイツ・ノルウェー紀行として書かせていただきました。
 ヘタな文章、読んでくださって、ありがとうございました。

(記:エフコ)