[ index ] 

(T.T)

共依存の軛くずものひろい

 現在私は閉じ篭り8年、収入も無く、母親に依存している。私の母は猛獣使いだ。一匹めの猛獣との間に私を設けたが、その一匹めが逃げたあと、半年後に、より強固な飴と鞭を用意して二匹めの猛獣を檻に招き入れた。
二匹目の猛獣もなかなか危険なので、母にとって今の私の役割は猛獣をコントロールするための抑止力といったところか。その際私が仕事をしていようと、何もせずに惨めだろうと関心は無い。
 猛獣と同じ屋根の下で暮らすいたたまれなさの代償として母親から金を受け取る。それが私にとっての依存行為にあたる。しかしここが今や母ひとりだけの病的な欲望を満たすことが優先される場所でしかないとわかった。この檻から逃げ出さなければ。
 子供の時から人間から餌を与えられ続けた肉食獣は、大人の体になっても自分で餌を取ることができずに結局 死ぬまで人間から餌を貰い続けるしかなくなるという・・・。

(クズモ)39