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 今日は又、目が醒めるなり涙をこぼし続けていて、何もろくなことができない。私をはげますことのできる主治医がウルトラマラソンに出かける日なのだ。
 何も、行ったきり帰らないと思うほどにはもう狂っていないのだけれど、遠くへ行くとなると私が嫌いで逃げていくと感じてしまう。理性では、あの快活な彼も苦労性だ。そんな休み方しかできないと同情しているのだけれど、自分の愚かさは、死にたいくらい自覚している。症候を表す単語がすぐに頭に浮かぶ。でも診断はできても折れた背骨で立ち上がれない。どうしてこんなに挫けているのかよくわかっているけれど、今は泣いて洗い流す以外に手がない。向精神薬を使うと心臓がこわれるのだから。
 郵便屋さんがコアの後藤さんからのメールを届けてくれる。印字がずれて少し読めないのも、便箋が逆向きなのもありがたい。こんなきれいな紙を捨てないでくれてうれしい。切手の向きがチグハグではバカにしているなんて思う心の狭い人にはならずにすんだ。私は幸運だ。
 苦しい時には、苦しがらなくては。自分の苦しさに気づかずに、人を苦しめてはいけない。無理はしないで、できることをしていくこと。

(草庵) 98年5月2日